X-RS 特許関連情報
【産業上の利用分野】
本発明は2サイクルエンジンまたはロータリーエンジン用潤滑油組成物に関し、詳しくは、生分解性に優れ、しかもガソリンとの相溶性が良く、清浄性の良好な2サイクルエンジンまたはロータリーエンジン用潤滑油組成物に関する。
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
従来、環境保護のために、生分解性のよい潤滑油の開発が要求され、エステル化合物がこの目的に好適であることが知られている。しかし、これを2サイクルエンジンやロータリーエンジンに使用すると、清浄性が不十分であり、実用上問題がある。さらに、ガソリンとの相溶性が十分でないため、潤滑不良を起こす場合もある。
このような観点から、本発明者らは、生分解性に優れるとともに、ガソリンとの相溶性ならびに清浄性が良好で、2サイクルエンジンやロータリーエンジンの潤滑油として好適な組成物を開発すべく鋭意研究を重ねた。その結果、ヒンダードアルコールと特定の脂肪酸とのエステル、あるいはこのエステルと芳香族分含量の少ない炭化水素やエーテルに、ポリ(オキシアルキレン)アミノカーバメイトやアルケニルコハク酸イミドを添加したものが、目的とする性能を有する潤滑油となることを見出した。
【課題を解決するための手段】
本発明は、
(A)ヒンダードアルコールと炭素数5~14の脂肪酸とのエステル
(B)ポリ(オキシアルキレン)アミノカーバメイトおよび/またはアルケニルコハク酸イミドを主成分とする2サイクルエンジンまたはロータリーエンジン用潤滑油組成物を提供するものである。
上記(A),(B)成分とともに、(C)沸点500℃以下で芳香族分2%以下の炭化水素および/または芳香族分2%以下で炭素数6~20のエーテル((C)成分)を配合することもできる。
本発明の組成物において、(A)成分はヒンダードアルコールと炭素数5~14の脂肪酸とのエステルであるが、ここでヒンダードアルコールは、各種のものを充当することができる。そのうち好ましいものとしては、トリメチロールプロパン,トリメチロールプロパンの脱水二量体,二塩基酸架橋によるトリメチロールプロパン二量体,ペンタエリスリトール,ペンタエリスリトールの脱水二量体,二塩基酸架橋によるペンタエリスリトール二量体,ネオペンチルグリコール,ネオペンチルグリコールの脱水二量体あるいは二塩基酸架橋によるネオペンチルグリコール二量体をあげることができる。ここで二塩基酸としては、アジピン酸,セバシン酸等が好適に用いられる。
一方、ヒンダードアルコールとともにエステルを構成する脂肪酸としては、炭素数5~14、好ましくは炭素数6~12であることを要し、直鎖あるいは分岐鎖であって、飽和あるいは不飽和の酸、特に一価の酸が好適に使用される。
炭素数が4以下の脂肪酸では、粘度が小さいため、分離給油用のポンプ吐出効率が低下し、潤滑油の供給不良となる。
逆に炭素数が15以上の脂肪酸では、低温におけるガソリンとの相溶性が悪化し、潤滑不良となる。さらに、ピストン清浄性や生分解性が低下する。
潤滑油全体に対して40~99.9重量%、好ましくは50~98重量%である。(A)成分の配合割合が少なすぎると、生分解性が低下し、逆に多すぎると、ピストン清浄性が悪化することがある。
上記(B)成分の配合割合は、特に制限はなく、状況に応じて適宜選定すればよいが、通常は潤滑油全体に対して0.1~30重量%、好ましくは0.1~10重量%である。
配合割合が少なすぎると、ピストンアンダークラウン,コンロッド小端部ベアリング等の比較的低温部位の清浄性向上を充分に図ることができない。
多すぎると、かえって清浄性が悪化する。更に、性能向上のために、公知の各種添加剤を20重量%以下の割合で配合することも有効である。
本発明の組成物では、上記(A)成分および(B)成分を必須成分とするが、さらに(C)成分として、沸点500℃以下で芳香族分2%以下の炭化水素および芳香族分2%以下で炭素数6~20のエーテルのいずれか一方あるいは両方を用いることができる。ここで芳香族分含量は、ASTM D 1319-89に基いて測定した値である。上記炭化水素は、沸点500℃以下、好ましくは沸点150~450℃であって、芳香族分2%以下、好ましくは1%以下の常温で液体のものである。このような炭化水素としては、水添処理を行った軽質鉱油(例えば水添灯油,水添軽油など)を挙げることができるが、好ましくはエチレン,プロピレンまたはブテンの重合体(エチレンの四~十量体,プロピレンの三~八量体,ブテンの二~六量体)およびそれらの共重合体を挙げることができる。沸点500℃を超える炭化水素では、ガソリンとの相溶性の改善効果が低下する。また、芳香族分が2%を超えるものでは、油を分解する微生物に悪影響を与えるため、生分解性が著しく低下する。
【0015】また、(C)成分としてのエーテルは、芳香族分2%以下、好ましくは1%以下で、炭素数6~20、好ましくは炭素数6~10の合成エーテルであり、例えばジイソアミルエーテル,ジイソプロピルエーテル,ジブチルエーテルなどがある。炭素数が20を超えるエーテルでは、ガソリンとの相溶性の改善効果が低下する。また、芳香族分が2%を超えるものでは、上記炭化水素の場合と同様に、油を分解する微生物に悪影響を与えるため、生分解性が著しく低下する。
【0016】上記(C)成分の配合割合は、特に制限はなく、状況に応じて適宜選定すればよいが、通常は潤滑油全体に対して60重量%以下、特に1~50重量%が好ましい。この(C)成分は、本発明の組成物とガソリンとの相溶性を改善する上で効果的であるが、その配合割合が多すぎると、生分解性が低下する。
【0017】上述したように本発明の組成物は、(A)および(B)成分を主成分(必須成分)とするもの、あるいは(A),(B)および(C)成分を主成分(必須成分)とするものであるが、さらに必要に応じて、前述した公知の各種添加剤を加えることもできる。また、ポリブテン等を潤滑油全体40重量%以下の割合で配合することも有効である。
【実施例】
ピストン清浄性空冷単気筒50ccの2サイクルエンジンを用い、エンジン回転数6500rpm,全負荷,燃料と潤滑油混合比20:1,プラグ座温270℃の条件で1時間の運転を行った。Topリング,2ndリング,Topランド,2ndランド,ピストンスカート,アンダークラウンの6カ所の観察を行い、それぞれについて各10点満点で評価し総合評点を求めた(最悪:0点,最良:60点)。
(A)成分単独では、ピストン清浄性が悪く
(B)成分が無い場合には、ピストン清浄性が悪く、公知の清浄剤を添加してもピストン清浄性が悪いことがわかる。
(A)成分を構成する脂肪酸のアルキル基の炭素数が短い場合には、焼付を起こし、逆にアルキル基の炭素数が長い場合には、生分解性や清浄性が悪い
(A)成分が二塩基酸エステルの場合には、清浄剤を添加してもピストン清浄性が悪く、さらに生分解性が劣る。
(A)成分がパラフィン系鉱油の場合、ピストン清浄性や生分解性が悪く
(C)成分として芳香族分を多く含む灯油を用いると、生分解性が低下する。
【発明の効果】
本発明の潤滑油組成物は、生分解性にすぐれるとともに、ガソリンとの相溶性ならびに清浄性にすぐれたものである。したがって、本発明の潤滑油組成物は、自動車2サイクル,船外機,レジャーボート,汎用2サイクル(チェーンソー,発電機,芝刈機等)などの2サイクルエンジンまたはロータリーエンジン用の潤滑油として有効かつ幅広く利用される。
代金引換(現金のみ)、銀行振込、郵便振替、現金書留、クレジットカード決済、オンラインコンビニ決済、銀行系決済、電子マネー決済を用意してございます。ご希望に合わせて、各種ご利用ください。
オンラインコンビニ決済はお支払い金額が300,000円(税込)以上の場合はご利用できません。申し訳ございませんが、他の決済方法をご利用ください。
当店では、佐川急便にて発送致します。
※大型荷物などは西濃運輸となる場合がありますが、代引き発送は不可となります。
お時間・お日にちの指定も可能です。時間指定につきましては、配送地区によって対応出来ない場合がございます。
東海・関東地区一律1,100円
関西・北陸・信越1,100円
東北地区1,300~1,400円
中国地区一律1,300円
四国・九州地区1,500円
北海道一律1,600円
荷物サイズによっては追加料金がかかりますが個別パーツページでご確認いただけます。
※沖縄・離島地域の方は別途メールにて送料をお知らせいたします。
お客様のご都合によるご返品には対応できかねますので、あらかじめご了承ください。
不良品・誤送品があった場合は、商品到着後2日以内にご連絡ください。それを過ぎますと、返品交換のご要望はお受けできなくなりますので、ご了承ください。
一度開封された商品(開封後不良品と分かった場合を除く)、お客様の責任でキズや汚れが生じた商品の返品はお受けできません。
商品到着後、中身のご確認をお願いいたします。
お問い合わせは、TEL・FAX・E-mailにて承っております。
TEL | 0550-78-3200 |
---|---|
FAX | 0550-78-3201 |
info@do-eng.jp |